顎関節症はこわくない!(2008年)


現在、顎関節症はSelf-limited diseaseであるという認識が世界的に認められています。
Self-limited diseaseとは、治療を行わずに放置し、ある段階まで病態が進んだとしても、それ以上には進行せず、時間経過の中で徐々に自覚症状が軽減し、機能障害も改善する疾患を示す概念で、このような疾患を「自然経過が良好な疾患」と言います。 (2008年2月号 日本歯科医師会雑誌より)

どんな症状があるの?

※口をあけようとすると痛い
※あごを動かすときに音がする
※あまり大きく口があかない(閉じない)
※急に咬み合わせが変化した
※時に、頭痛、肩や首の痛み、耳鳴り、めまい等


顎関節症の治療は?

いくら自然経過が良好な疾患と言っても症状があるのを放置するわけにもいけません。
アメリカでは約10年数年前よりアメリカの厚生省にあたるNIH下部機関で 歯科研究機関NIDR( National Institute of Dental Research)の下記のパンフレットをもとに顎関節症治療をしています。
パンフレット要約
過去に顎関節症は咬み合わせが原因で起きると言われてきました。
最近になって、原因を1つと確定することは不可能であり、 咬み合わせの他に姿勢、歯ぎしり、ストレス等の多くが複雑にからみあって起こると言われています。
顎関節症はSelf-limited diseaseである以上、ほっておいても大部分の人は時間とともに症状をあまり感じなくなるのは先ほど記したとおりです。
しかし、稀に重症の症状が続く事があり、治療はしなくても専門家の診断、観察が必要です。
そして治療が必要な場合、いつでも治療前状態に戻すことが出来る習慣、癖の除去等の治療を最初に選択します。
もしも貴方が顎関節症で治療前の状態に戻す事が出来ない治療 (例えば外科的手術、大きく咬み合わせを変える矯正治療、歯科治療等)を勧められたらセカンドオピニオン(他の医師などの意見)を必ず求める必要があります。

浅野歯科の治療


顎関節症の原因となる多くの因子の中から、患者さんに肉体的負担をかけず、 何時でも治療前の状態に戻すことが出来る、原因となる因子の除去から始めます。

○習慣、癖の除去
習慣、癖を見つけ、患者さん自身が症状を軽くできるよう指導する。
(歯列接触癖[TCH] 、足くみ、ほおづえ、ねぞう等)
○症状の自己管理 (冷湿布、温湿布、マッサージ)
○ストレッチ (咀嚼筋、頸筋を中心に咬み合わせを考えた運動)
○薬物療法 (消炎鎮痛剤等の服用)
○スプリント療法
(プラスチック板等を咬ませ、顎関節にかかる力を軽減する)


浅野歯科でも10数年前より、NIDRのパンフレットにそった治療をしています。
ほとんどの患者さんがこの治療によって症状が改善しますが、まれに効果がない事もあります、 この様な患者さんには口腔外科等、他の医療機関を紹介し協同で治療にあたっています。

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